「助産所わ」のブログ

奈良市にある「助産所わ」のブログです。 助産所のこと、私の思うこと、などをランダムに書いていきます。

この度、令和6年10月15日以降から、産後ケア時の離乳食の無料提供を中止いたします。
お粥だけは提供するつもりですが。

先日、別の産後ケア施設を見学に行きました。
若手ですごく行動力のある助産師で、産後ケアをやりたい一心で立ち上げた施設です。
今後も、来年には産後ケア施設を立ち上げたいという若手の助産師も後に続きます。
そんな彼女たちに、「離乳食は無料提供するのが当たり前」となるのはちょっと酷な気がして・・・
先頭を切っている私が、「無料提供は中止」とした方が良いのではと思っていました。

そんな時、先日娘がお産をして、その際にお産をお願いしていたベテラン助産師にもその話をしたら、「私は離乳食は出さないわ」「みんな冷凍して持ってきたり、ベビーフードを持ってくるわよ」ということでした。

これまで離乳食を提供するに当たっては、事前に食べられる食材をすべて聞き取ったり、同じ月齢でも子供によって食べれられる形状がまちまちだったり、作るときにコンロが塞がれたり・・・やはり色々大変なのです。
私の親友は「離乳食を作るのは負担じゃないから、いいの」と言いますが・・・

色々考えた末に出した答えが
*離乳食の無料提供は中止(希望があればお粥は出す)
*希望があれば、1食¥500で提供する
というものです。

さらに、娘のお産の時に「らくらくお泊りセット」とご主人が宿泊する際の施設使用料の話になったら、「そんなの安すぎる」「他の助産院が困るわよ」「素泊まりと同じなんだから¥5000はもらっていいわよ~」ということでした。
娘は「お母さん、儲ける気は一切ないねんな・・」というのです。
そういえば、物価も水道光熱費もかなり上がりましたもんね。

ということで、一斉に値上げをすることになりました。
あしからずm-ーm
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先日、息子が東京に引っ越しました。
映像制作会社に勤めることになり、昨日が初出社でした。

私は、気になって1日中ソワソワしていました。
なので、「終わったらすぐに報告してね」とLINEしておきました。

その第一声が「楽しかったよ」
そして「この会社なら頑張れそう」というものでした。

ホッとしました

私自身が、自分の好きなことを仕事にしていけたら幸せだと思うので、
普通の大学ではなく、やりたいと言ったコンピューター専門学校へ進学させました。
その4年間はコロナの影響でほとんどオンライン授業でした。
でも、3DCGを制作できるスキルは身につけました。

4回生になっても就職はなかなか決まらず・・・
夫には「やっぱり普通の大学にしておけばよかったんちゃうん・・」と言われつつ
「とりあえず、どんな仕事でもいっか・・・」と思ったりしました。

そして粘った結果、3月末にやっと決まりました。
しかも4/24からという、変な時期からの研修開始。

そこから、住むところを決め、家族旅行をし、引っ越しをし、バタバタの1カ月でした。

でも結果、息子が「楽しい」と思える仕事に就けて、お母さんは本当に嬉しい

息子がいないとかなり淋しいですが、母は母で、自分の選んだ仕事をがんばります。
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助産所 わ
〒631-0806  奈良市朱雀1丁目13-10
TEL    0742-93-7257
eメール jyosansyowa@yahoo.co.jp
URL  https://www.jyosansyowa.com



7/29の「第37回奈良県母性衛生学会」の学術集会で演題発表してきました。
今までの産後ケアの実績・実情と私の思うことなどから、産後ケア事業の問題点と今後の課題をまとめました。
発表にもありますが、最近ずっと産後ケアの依頼が多くて忙しい中、頑張りました。
以下に内容を開示しますので、是非ご覧ください。

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Ⅰ はじめに

 

 産後ケア事業は、令和元年の「改正母子保健法」公布で、全ての自治体の努力義務となり、令和6年度末までに全国展開を目指すとされている

 当助産所は、令和元年5月に産後ケアに特化した有床助産所としてリニューアルオープンし、6月より産後ケア事業の受託を開始した。今までの実績と実態を振り返り、そこから見える産後ケア事業の問題点と課題を報告する。

 
Ⅱ 当院における産後ケア事業の現状

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 令和元年6月から令和5年7月現在までの利用者総数は96名であった。利用のべ日数は、昨年度から急増している。契約自治体も昨年度急増し、現在8自治体である。

母親の内訳と年齢分布は図の通りである。利用乳児の月齢は生後3か月までが多く、0か月は退院後すぐの長期利用者が多い。産後すぐから利用を開始し、1才までに不定期に利用する人も多く、どの月齢でもニーズがあることがわかる。

私の私見であるが、産後ケアをやってみて思うことを列挙する。

【事業者として】

・困っている母親や家族の助けになっている実感があり、やり甲斐がある

・病産院での助産師業務以外の業務(環境整備・献立作成・食材管理・調理・自治体との調整など)が多い

・多岐にわたる幅広い知識(発育発達・離乳食・育児グッズの知識・正しい抱っこの方法など)が必要

・乳児も母親・家族も多様性にあふれており、ケアやアドバイスにも柔軟性が必要

・産後ケアだけでは解決困難なケースを訪問看護などのサポートにつなげることができる

・乳房トラブルから産後ケア利用へつながるケースも多く、自治体での産後ケア事業の周知が不十分と感じる

【利用者について】

・何をしてもよく泣く子は一定数おり、抱っこやおんぶの必要性を強く感じる

・精神的支援が必要な母親・家族が多い

・経産婦の方が、上の子も乳児も育児しなければならずより負担感が強い

・多胎の育児はとても大変なことをあらためて実感

・産後ケアを利用することでその後の相談先ができ、助産所の存在が悩んでいる母親たちの安心材料となれる

Ⅲ 産後ケア事業の現時点における問題点

 表2は当助産所の受託先の産後ケア事業委託料であり、表3は令和4年度の当助産所の支出実績から算出した必要経費である。

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 また、母子保健法の改正により、ほとんどの自治体で産後ケアの対象者が従来の生後4か月以内から出産後1年以内へと拡充された。生後4ヵ月以上の乳児は動きが出てくるため、危なくないような対策が求められ、離乳食を提供する必要もでてきた。それにより、生後4か月以上の産後ケアを受け入れられる施設が限られる事態となっている。

これらのことから、現時点での産後ケア事業の問題点は、

【受け入れ側】

・実際の経費より委託料が少ない自治体があり、経済的に運営が厳しい

・依頼が不定期で急なため、サポートスタッフの人員確保が難しい

・多胎加算が不十分なため、多胎の受け入れが困難

・日曜祝日の依頼も多く、対応が困難

・精神的支援が必要な方が多く、対応が困難

【自治体側】

・自治体ごとの制度内容の差が大きい(委託料・自己負担額・利用時間・食事提供回数・依頼方法・報告方法など)

・自治体内に委託先がないため、事業自体が開始できていない

・4ヵ月以上の受け入れ施設が少なく、受け入れ困難なケースがある

・事業の周知が不十分で、必要な人が必要な時期に利用できていない

ということである。

 
Ⅳ.まとめ

 産後ケアに取りくんで5年目となるが、産後に問題を抱える母親・家族の多さに驚くと共に、産後ケアの必要性を実感するようになった。助産所経営としては様々な困難があるが、悩めるお母さん方をサポートできている実感があり、常にやりがいを感じている。

最近になり、ガイドラインの見直しで利用制限が緩和され、産後ケアの依頼が急増したことにより、経営状況も改善してきた。今までは管理者一人に負担がかかっていたが、今後は充分なケア提供と事故防止のためにも、適切に人員を配置していきたいと思う。委託費に関しては充分とは言えない自治体も多く、、産後ケアのニーズに応えるためにも、助産所運営の安定化のためにも、各自治体とは事業内容及び委託料の交渉は継続的に行っていく必要があると考える。そして、全県下で産後ケア事業が実施できるよう、未実施の自治体への働きかけを行っていきたい。また、助産所をお母さんたちが気軽に集え、相談できる場所にするよう努めていきたい。

産後のお母さんたちが必要な時にいつでも産後ケアを利用でき、育児に困ることがなければ、子どもを愛情を持って育てられ、産後うつや児童虐待予防にも繋がると考える。次元の異なる少子化対策の一つとして、日本のどこにいても同じ産後ケアサービスが受けられることを希望する。

以上です。

ホームページの方にはパワポスライドを掲載していますので、そちらもご覧くださいね。

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